自筆証書遺言を作成する前に確認しておくこと

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自筆証書遺言を作成する前に確認しておくこと

カテゴリ:遺産相続の法律
日付:2016年10月1日

自筆証書遺言とは

 

民法第九百六十八条(自筆証書遺言)

①自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。

②自筆証書中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。

 

遺言書には事故等の緊急の場合に書く特別方式を除くと「公正証書遺言」「自筆証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類があります。

今回の「自筆証書遺言」は字のごとく「自筆」で書かれた最もシンプルな遺言書で、紙と筆記用具、そして印鑑があれば、自分ひとりで費用をかけることなく作成することが可能です。

自筆証書遺言は費用もかからずに簡単に作成できるというメリットがありますが、反面、一般の方が作成する場合によくあるのが、法律で決められた様式で作成れたものでない場合は無効になるという、非常に大きなデメリットがあります。また不利益を受ける相続人に発見され、遺言書を隠されてしまったりする可能性もありますので注意も必要です。

次に、自筆証書遺言は家庭裁判所で検認を受ける必要があります。

検認手続きは、相続人または代理人が各種書類を用意して裁判所へ行かなければならないので、遺言書の作成する時は簡単で、費用がかからなくても、相続発生後は検認手続きなどの処理が必要になります。

 

自筆証書遺言の5つの法的要件と作成方法

自筆証書遺言に効力を持たせるには民法で要件が定められています。この要件を満たさなければ効力のない遺言書となってしまいますので、次にあげる要件を満たす必要があります。

①全文を自分で書くことにより作成する

※代筆、ワープロ・タイプライターによる遺言は無効となります。

②日付を入れる

※年月日の記載のない遺言は無効となります。

※また、「○年○月の吉日」などの記載も日付を特定できないため無効となる恐れがあります。

③自分の名前を記載する

※戸籍どおりに姓名を自署してください。

④印鑑を押す

※印鑑がない場合は無効です。

※三文判でも有効ですが、トラブル防止の意味からも実印登録して実印のほうが安心です。

⑤文章の修正がある場合は定められた方法で行う

※自筆証書遺言を訂正(書き間違い、文字の追加や削除)する場合、訂正方法が法律によって厳格に決められています。

※遺言書の訂正箇所に、加入の場合は{ のしるしを付け、削除・訂正の場合は原文が判読できるように二本線で消して、正しい文言を記入する。

※変更した箇所に、遺言書に押印した印鑑で押印する。

※変更した部分の欄外に「本行○字加入○字削除」というように付記するか、遺言書の末尾に「本遺言書第五項第四行目『○○○』とあるのを『○○○』と訂正した」などのように付記する。

※付記した箇所に、遺言者本人が署名する。

上記のうち、どれか一つでも要件を満たしていなければ、その遺言書は法的に無効となります。

自筆証書遺言書作成のその他注意点

1 財産の特定はわかりやすく正確に記載する

 ※不動産は登記簿の記載どおり正確に記載する。

 ※預金は支店名及び口座番号を正確に記載する。

2 複数枚にわたる遺言の場合には契印(割印)をする

 ※遺言書は複数枚に渡るときはホチキス止めをし、その綴り目に契印(割印)をします。(契印は契約書などの場合にも一般的に使用されるもので、複数枚に渡る契約書を途中でページを抜いたり差し込んだりの不正ができないように行うものです。)

3 作成後は紛失等に注意して保管

4 夫婦であっても遺言は別々に作成

5 封筒に封印する

 

自筆証書遺言は家庭裁判所の検認が必要

公証人が確認して作成する「公正証書遺言」と違い、「自筆証書遺言」は法律上有効に成立したかどうかの確認が出来ていません。

そこで、遺言をされた方が亡くなったあとで遺言を確認する際には、遺言が有効なものかどうか、偽造されていないかなどを確認する事が必要になります。

これを「検認」といい、遺言を発見した方は家庭裁判所へ遺言を持って行き、裁判所で検認をしてもらう必要があります。

ですので、遺言内容を確認するまでに、若干時間と手間がかかります。

※「検認」について詳しくはこちら

 

自筆証書遺言のまとめ

自筆証書遺言のメリット

・遺言の存在・内容を秘密にできる

・公証人の世話にならないため、費用もかからず簡単に作成できる

・いつでもすぐに書き換え、変更ができる(最後に書いたものが有効)

 

自筆証書遺言のデメリット

・個人で書くため、遺言としての要件が法律的に見て欠けてしまう場合もある

・訂正の仕様次第では無効となる可能性が高い
・病気等で手が不自由な場合は利用できない

・遺言書の隠匿、偽造、紛失の恐れがある
・遺言者の死後、遺言書が発見されないこともありうる
・公正証書遺言に比べて本当に本人が書いたものか、遺言者の死後に争いが起こりやすい

・執行時に家庭裁判所の検認の手続きを行う必要がある


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