秘密証書遺言の作成前に知っておきたいこと

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秘密証書遺言の作成前に知っておきたいこと

カテゴリ:遺産相続の法律
日付:2016年10月16日

民法第九百七十条(秘密証書遺言) 


秘密証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。
一  遺言者が、その証書に署名し、印を押すこと。
二  遺言者が、その証書を封じ、証書に用いた印章をもってこれに封印すること。
三  遺言者が、公証人一人及び証人二人以上の前に封書を提出して、自己の遺言書である旨並びにその筆者の氏名及び住所を申述すること。
四  公証人が、その証書を提出した日付及び遺言者の申述を封紙に記載した後、遺言者及び証人とともにこれに署名し、印を押すこと。
2  第九百六十八条第二項の規定は、秘密証書による遺言について準用する。

 

遺言書には事故等の緊急の場合に書く特別方式を除くと「公正証書遺言」「自筆証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類があります。

今回の「秘密証書遺言」は、「内容」を秘密にしたまま、「存在」のみを証明してもらう遺言のことです。

次のような方に適した遺言書となります。

① 遺言者が遺言内容を遺言の内容は誰にも知られたくない

② 遺言の実行を確実なものにしておきたい場合

③ 自筆つまり手書きでの遺言書を作成することが困難な場合

公正証書遺言と同様に,公証役場で公証人や証人が関与しなければなりませんが、公証人や証人に対して提出されるのは、すでに封をされている状態ですので、遺言書そのものは公証人や証人にも見ることができず完全に秘密にされます。

※「公正証書遺言」について詳しくはこちら

※「自筆証書遺言」について詳しくはこちら

秘密証書遺言の作成と手続き

秘密証書によって遺言を作成するには、民法により次に掲げる方式に従わなければなりません。
遺言内容は、代筆やワープロなどで作成することも許されています。
遺言書の作成年月日は、公証役場で記載されます。

①手書きやパソコンで遺言内容を書く

秘密証書遺言は、最低限遺言を残す人の署名押印が自筆でなされていれば、他の内容が手書きである必要がありません。記載する内容は、自筆証書遺言と同様で、印鑑は認印の仕様が可能です。

②遺言を封筒に入れて封をしてから押印する

遺言書が書ければ、そのまま封筒に入れて封をしましょう。その後、遺言書に利用した印鑑と同様のもので封に封印をしてください。もしこの印鑑に異なるものを利用すると、遺言が無効となってしまうため注意が必要です。

③2人の証人と一緒に公証役場に持参する

2人の証人と一緒に、①と②で作成した遺言書を公証役場へ持って行きます。公証人と2人の証人の前でその遺言書を提示し、自分の遺言書であることを証明するために、氏名と住所を申述しましょう。

④遺言者と証人が署名押印する

公証人が遺言書を提出した日付と遺言を書いた人の申述を封紙に記入します。その封紙に遺言を書いた人と2人の証人が署名押印したら秘密証書遺言の完成です。

提出先

住所地の公証役場

証人になれる人

以下の内容に該当する人は証人になれないため注意してください。もし身近に証人になれる人がいなければ、弁護士などに依頼することが可能です。
①相続人となる人
②未婚の未成年者
③受遺者およびその配偶者と直系血族
④秘密証書遺言の作成を担当となる公証人の配偶者と4親等内の親族
⑤公証役場の関係者

秘密証書遺言は家庭裁判所の検認が必要

秘密証書遺言は、公証人が内容を確認しないということで家庭裁判所の検認が必要になります。

まず、相続が発生したところで、「秘密証書遺言書」を保管している者あるいは発見者は、遅滞なくこれを家庭裁判所に提出して、その検認を受けることになります。

そして、その遺言の内容が法で定められた方式にのっとっているかどうかの確認の手続きを行います。仮に誰かが、相続開始後家庭裁判所の検認手続き前に、この秘密証書遺言を開封してしまえば、過料の制裁の恐れがありますのでご注意下さいませ。

※「検認」について詳しくはこちら 

保管と費用

作成した秘密証書遺言書は、遺言者自身で保管することになります。
従って、紛失のリスクがあります。

費用については、公証役場での手続き費用が11,000円かかります。
その他に、戸籍関係書類や登記事項証明書等、役所や法務局に支払う費用などがあります。

秘密証書遺言の留意点

秘密証書遺言のメリット

・遺言内容を秘密にすることができます。
・手書きで作成する必要がなく、代筆・ワープロでも可能です。

・誰にも知られることなく作成しますので、遺言書の偽造など防げます。
・証人と公証人役場と関わることで遺言の存在のみ明確にすることができます。

秘密証書遺言のデメリット

・2人以上の証人を選任し公証役場に出向かなければなりません。
・公証人手数料や場合によっては交通費などの費用がかかります。
・遺言者が管理をする為、紛失してしまう恐れがあります。
・専門家のチェックなしで本人が作成した場合、遺言内容に法的効力不備の恐れがあります。

・内容が分かりにくいと、かえって揉める可能性があります。

秘密証書遺言のまとめ

秘密証書遺言書は、現状、年間100件程度と非常に少ないですが、他の人には何が書いてあるのかを知られたくないという場合に、遺言の存在を明らかにしながら、内容を秘密にしておくことができるという点が最大の特徴です。

また、遺言者が若く、定期的に見直す必要性が高い場合にコストを抑える方法として用いられることも多いようです。

自筆証書と違い、公証人や証人が関与する秘密証書遺言は、遺された相続人に対しても、一定程度の権威をもつことを期待される点も有用性に上げられると思います。


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